御室仁和寺〜龍谷ミュージアム

 

 

二王門。

霊宝館横の金剛華菩薩像。仏が持つ花といえばハスのイメージだけど、こちらは宝相華(ほうそうげ)と呼ばれる架空の植物。

 

冬季名宝展のお気に入りは愛染明王坐像。剥がれている所はあるが赤や緑(青?)の塗装が残っており、それがまたインパクト大。気になってパネルを見たら「詳細不明」とだけ書かれていた。残念……

もうひとつのお気に入りは「童子教本尊坐像」の乾闥婆王。小児を病気や災いから守る童子教の本尊らしい(※不動明王の場合もある) 厨子の両扉には子供に害を与えるとされるヘビや馬などの十五鬼神が配置されていて、丸っこい立体的な作りが昔集めていたぷくぷくシールみたいでちょっとかわいい。

霊宝館には展示している作品の詳細を見られる大きいタッチパネルが2台設置しており、説明はもちろん、なんと3D化した仏像を画面上で360度ぐるぐる回せるのだ。こういう場所に今ドキのハイテクなものが置いてあるとちょっと楽しい。無駄にはしゃいで仏様をぐるぐる回しちゃったのは、秘密。

 

霊宝館を出て金堂へ向かう途中の五重塔

 

観音堂は通常非公開のため拝むことはできないが、この「千手ひも」で間接的に本尊の千手観音様と握手(?)できる。一体どの手につながってるんだろう。

 

さていよいよ金堂へ。私を含め参拝客が5〜6人ほど集まったところで、僧侶の方がご案内してくれた。
阿弥陀三尊をはじめとする十数体の仏様たちの後ろには仏画が描かれており、下からライトで光が当てられていた(昨年までこのライトアップはなかったらしい) 遠くからでも分かる華やかさと美しさ。欲を言うならもっと近くで見たかったが、仁和寺の計らいに感謝。

続いて裏堂の五大明王壁画へ。裏堂はもともと物置として使用されていて、僧侶の方たちも普段はろうそくの火か、扉を開けた時の外から差し込むかすかな光でしか見られないそうだ。そして暗すぎるせいで時々けつまずくらしい。あぶねえ。しかしそんな普段から使われない暗い場所だったからこそ、非常に綺麗な状態で残っていたそうだ(でも懐中電灯くらいは使ってもいいと思う、危ないから)

五大明王壁画は不動明王を中心にシンメトリーの配置になっていて、五体まとめて見ると戦隊モノみたいでかっこいい。ちなみにこのシンメトリー配置のために大威徳明王が水牛に乗っていなかったりと微妙なマイナーチェンジが施されているのだが、降三世明王はちゃんと(?)シヴァ神とその奥さんを踏んでいた。そこは踏んでていいんだ……

 

茶色い外装と窓部分のパキッとしたグリーンの配色がオシャレな経蔵。私の中の「オシャレ伽藍選手権」で堂々の一位に輝いている(※2024年1月現在)

意外とちっちゃい水掛不動明王。「帰りたい」と願った不動明王と「会いたい」と願った菅原道真。このふたり(一仏と岩)が一緒にいるのは、なんだか感慨深い。

 

『菅公 縁結びの梅』 小振りの花が可愛らしい。

 

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続きまして数年振りの龍谷ミュージアム。今回の特別展「眷属 ほとけにしたがう仲間たち」は小規模だけど見応えのある展示。個性豊かすぎる眷属がたくさんいて楽しい。薄くてもいいから図録やパンフレットほしいなあ。

今回の展示で特にお気に入りの矜羯羅童子ちゃん。運良く看板にいた!ふくよかな白い肌にサラサラ髪の美少年です(ただし生え際はあやしい)

 

中国・ベゼクリク石窟の復元展示(※撮影OK) 現在も石窟自体はあるものの、色んな国の探検隊が壁画を自国へ持ち帰ってしまったため殆どが失われているそう。この迫力と美しさは何度見ても圧巻。

 

燃燈仏(ねんとうぶつ)の足が泥で汚れないように自らの髪で道をつくる前世のお釈迦様。こういう仏教ここまでやるか選手権みたいな話は大好きなのだが、空気を読んで「いや飛び越えられるしw」とは言わず「将来仏陀になるだろう」と予言する燃燈仏はさすがである。